長年に渡り連れ添った夫の浮気の発覚は、熟年離婚の原因の1つです。
いくら長年夫婦関係にあったとはいえ、あまりうまくいっていない夫婦において、夫の浮気は、離婚の決定打になります。
そうでない場合でも、どうしても浮気を許すことができないときには、離婚を決意することになるでしょう。
今回は浮気夫との熟年離婚について、離婚までの手順とポイントについて解説します。
夫の浮気を知ると悲しみや怒りによりパニックになりがちです。
しかし、ここで焦るのは禁物です。
まずは、冷静に浮気の証拠を押さえることに専念しましょう。
証拠を掴まないまま離婚の話し合いを進めると言い逃れされてしまい、最悪泣き寝入りすることになってしまいます。
ですから、もし夫の浮気を疑ったら、パニックにならず、まずは冷静に浮気の証拠を集めることに努めましょう。
浮気の証拠の中で最も確実なのは、探偵を雇い、浮気現場の写真を撮影することです。
しかし、探偵を雇うには安くない費用が掛かりますから、まずは自分のできる範囲でメールやホテルの利用に関する記録などの浮気につながりうる証拠を集めましょう。
証拠が不十分であると裁判はもとより、夫との話し合いでも浮気の事実をウヤムヤにされ離婚問題は長期化します。
夫の浮気を理由に離婚する方法は大きく2つです。
1つは夫婦の合意による離婚、もう1つは裁判による離婚です。
両者の決定的な違いは、裁判による離婚の場合には離婚についての合意が不要、つまり、夫が離婚を拒否しても離婚できる点です。
但し、裁判離婚になれば、離婚訴訟を提起することになり、その際には、通常、弁護士を雇うことになりますから、時間と費用の点で、次善の策として考え、まずは話し合いにより、協議離婚できるよう努めましょう。
夫婦だけでの話し合いではどうしても喧嘩になるだけ、あるいはまともに対応してくれず、離婚できないときには、離婚調停を起こします。
離婚調停は、原則として裁判離婚する場合には必ず必要になる手続きです。
調停では、裁判所の調停員2名を交えて話し合いによる解決を模索します。
それでも解決できないときの最終手段が裁判離婚になります。
裁判離婚するには法律の定める離婚事由が必要になります。
浮気は、肉体関係が伴えば、離婚事由の1つの不貞行為に当たりますから、夫の不貞行為の事実を証拠により証明できれば、離婚できます。
夫婦にはお互いに配偶者以外と性行為を行わないという貞操義務があるので、不貞行為は、不法行為に当たります。
したがって、不貞行為をした夫に対しては、離婚慰謝料を請求できます。
もちろん、不貞行為は、夫一人の行為ではなく、その相手がいますから、不貞相手に慰謝料を請求することもできます。
但し、レアケースですが、夫が独身であることを巧妙に装い浮気していた場合には、不貞相手は既婚者であると知らずに肉体関係を持ち、そのことに落ち度がないため、不貞相手に慰謝料請求をすることはできません。
離婚慰謝料の額の目安は100万円~300万円と言われています。
熟年離婚の場合には、婚姻期間は長期に渡りますから、通常、その点は離婚慰謝料の算定において増額の事由として考慮されます。また、長期に渡り夫が浮気の事実を隠していた場合には、やはり慰謝料の増額の理由になります。
夫の浮気を疑った場合には、まずは冷静に証拠を集めましょう。
その後、離婚のために話し合いを行い、それでも解決しなければ調停、最終手段は裁判を起こして離婚することになります。
夫の浮気を理由に離婚することになれば、離婚慰謝料を請求できます。
離婚慰謝料の金額の相場は100万円~300万円です。
慰謝料の額を決める際には婚姻関係や不貞関係の長短は重要です。
熟年離婚の場合には婚姻関係や不貞関係は長期に渡ることも多いでしょうから、それなりの慰謝料を請求できるはずです。